微生物と発酵<発酵編>

まめ知識
微生物と発酵

身体に良いから発酵食品を食べましょう。と言われますが、そもそも発酵食品とは一体何なのでしょうか?
納豆、チーズ、お酒、お漬物等々食品自体はすぐに思い浮かびますよね?
でも、なぜ身体に良いかご存知ですか?このページでは「食卓の中の微生物」である発酵食品の秘密に迫ってみたいと思います。

発酵とは?

微生物は、デンプン・糖・タンパク質など様々な有機物を分解し、エネルギーを獲得することで生きています。 発酵は、微生物の働きをして、私たち人間にとって有益な物質をつくる手段のことを言います。

発酵の起源

発酵の起源はいつなのでしょうか?
諸説ありますが、約5000年前~6000年前と言われています。
中央アジアの遊牧民が羊の乳を搾り、あとで飲もうと放置していたところ、酸味のある液体に変わっていました。これが、いわゆる現在のヨーグルトで人類が体験したほぼ最初の発酵食品ではないかと考えられています。

微生物の発酵分解作用

微生物の発酵分解作用

微生物たちが分解する手順

①体外に酵素を分泌して、死骸の有機物を分解。
②微生物が体内に取り込んで代謝を繰り返す。


微生物の分解発酵作用を利用することで、食品だけでなく動物の死骸等を分解し天然ガスや石油なども生み出されました。このように、私たちは微生物からの恩恵を受けることで生命の営みを続けています。
近年では多くの企業に産業利用されており、これから更に「微生物の分解力」、「発酵力」を活用した産業が発展していくことでしょう。

腐敗と発酵の違い

腐敗と発酵の違いはみなさんお分かりでしょうか?腐敗した牛乳を誤って飲んだ場合、下痢や嘔吐(おうと)を引き起こしますよね。
発酵の場合は乳酸菌のように毒性物質の繁殖を抑えるたけでなく、味や香りが良くなり、栄養価も高くなります。
微生物の働きとしては、”発酵”も”腐敗”も同様ですが、私達人間にとって食品作りに良い結果をもたらすものを発酵、食品の品質を低下させるものを腐敗と呼んで区別しているのです。

食品腐敗

微生物、○×細菌と聞くだけで、怖い臭い汚いものと思われる方も多いかもしれませんが、微生物は私達の生活、食卓に密接に係わっているのです。
それに、微生物による発酵が進んだ食品は、腐敗をおこす有害微生物が繁殖しにくい状態となっています。


次回は、微生物と発酵<微生物編>をお届けします。